スピリチュアリズムによってもたらされた「霊的知識」と「心霊現象論」

これまで何度も述べてきましたが、スピリチュアリズムは霊界人の主導で進められている地球人類の“霊的救済”を目的とした活動です。霊界にいる何十、何百億という高級霊がイエスのもとに結集して展開している人類史上最大のプロジェクトです。この霊界を挙げての救済プロジェクトは、地球人類に「霊的真理・霊的知識」をもたらすことを一番の目標としています。

霊的真理によって人間は、地上という物質世界で生活しながら霊的人生を送ることが可能となります。真理にそって生きることで「霊的成長」を達成し、死後の世界（霊界）での生活に備えることができるようになるのです。そのために必要な霊的真理・霊的知識が、スピリチュアリズムを通じて地上にもたらされました。その中には心霊現象や神秘体験に関する霊的知識も数多く含まれています。そうした心霊現象に関する霊的知識・霊的情報を総合化したものが、「スピリチュアリズムの心霊現象論」なのです。

心霊現象は、地上人にとって最大のテーマである死の問題や霊魂・死後の世界と密接な関わりを持っています。心霊現象は「霊魂説」に直接関係し、霊魂説は「死の問題（死生観）・死後の問題（死後観・他界観）」にそのままつながっています。霊界からもたらされた霊的知識・霊的情報に基づく「スピリチュアリズムの心霊現象論」は、地球人類が長い期間を通じて探求してきた根本問題に明確な解答を示しています。

従来の宗教・思想とは格違いの「スピリチュアリズムの心霊現象論」

人類史上、さまざまな宗教や神秘主義思想が登場し、心霊現象や超常現象・神秘体験・奇跡などの不思議な出来事の解明に取り組んできました。19世紀半ばに登場したスピリチュアリズムは、そうしたこれまでの宗教や神秘主義思想とは次元を異にした画期的な心霊学・神秘学を地上にもたらしました。それが「スピリチュアリズムの心霊現象論」です。

スピリチュアリズムによって霊界からもたらされた霊的知識・霊的情報に基づく心霊現象論には、従来の宗教や神秘主義思想からは想像もつかないような深遠な内容が多く含まれています。それは文句なしに地上における「最高次元の心霊学・神秘主義思想」と言えます。スピリチュアリズムの霊的真理・霊的知識は、あらゆる心霊現象や超常現象・神秘体験の本質とメカニズムを明らかにしています。「スピリチュアリズムの心霊現象論」は、その内容の深さ・広さ（スケール）・正確さのどの点をとっても、従来のものとは次元が違っています。

スピリチュアリズムの心霊現象論が画期的な理由

霊界から示された霊的知識・霊的情報の中から、心霊現象に関係する知識を総合化したものが「スピリチュアリズムの心霊現象論」です。「霊界からもたらされた霊的知識によって成り立っている」というところに、スピリチュアリズムの心霊現象論の卓越性の理由があります。スピリチュアリズムの心霊現象論が、従来の心霊学や神秘学や宗教と次元が異なっているのは、そのすべての知識が霊界から直接伝えられたものだからです。特定の地上人の霊的体験や観察から導き出されたものではないという点に、「スピリチュアリズムの心霊現象論」の特殊性があります。

これまで霊的世界や心霊現象については、その多くが神秘のベールに包まれてきました。そして人類は、ベールの奥の真実を少しでも知ろうと探求してきました。そうした努力が、さまざまな宗教や神秘思想を生み出すことになったのです。

地球上の宗教や思想の中には、霊的世界や心霊現象について深い洞察や知識を提示しているものがあります。インドのヨーガ・中国の気の思想・神智学・人智学・各種神秘主義思想の中には優れた叡智が存在しています。こうした知識は、物質世界の向こうにある不可視の世界・神秘のベールに包まれた世界の事実を垣間見ようとしてきた人類の努力の結晶と言えます。それらは一部の地上人の霊能力や直感（インスピレーション）を通して獲得された希少な霊的情報です。しかし残念なことに、地上の人間によって得られた情報の中には多くの間違いや錯覚が見られます。

それに対しスピリチュアリズムの霊的知識・霊的情報は、ベールの彼方の世界（霊界）にいる当事者たちから直接送られてきています。その情報は、まさに霊的世界からの“現地報告”と言えます。ここで重要な事実を述べますが、肉体を持った地上の霊能者と肉体を持たない霊界の高級霊では、「霊的認識能力」において天と地ほどの違いがあるのです。その霊的認識能力には、大人と幼児ほどの決定的な差があるのです。

今、スピリチュアリズムの到来によって霊的世界の住人から直接、地上世界に情報が伝えられるようになりました。これまで地上人が知ることのなかった霊界や神秘現象についての詳細な知識がもたらされるようになったのです。そうした霊界から送られてきた霊的知識・霊的情報を総合化したものが「スピリチュアリズムの心霊現象論」です。地球上に数多くある宗教や思想が「スピリチュアリズムの心霊現象論」の足下にも及ばないのは、その知識・情報のすべてが霊界から直接もたらされたものだからなのです。

「心霊現象」を内側から見て、その本質を明らかにする

最近では心霊現象に対して、従来の宗教や神秘主義思想とは別に、さまざまな学問分野から研究に乗り出すといった動きが現れています。宗教学や心理学・哲学・社会学・民俗学などが「心霊現象」を研究対象として取り上げるようになっています。しかしそうした研究を通して明らかにされる事実は、どこまでも心霊現象を外側から観察したものにすぎません。心霊現象を内側から、あるいは霊的視点から見た内容ではありません。

それに対しスピリチュアリズムでは、全く違った方向から「心霊現象」の実態と本質を明らかにします。スピリチュアリズムの心霊現象論は、徹底して「霊的観点」から心霊現象にアプローチします。その結果、心霊現象について従来のいかなる宗教や思想や学問研究よりも、深い理解を得ることができるようになっているのです。スピリチュアリズムにおいてこうした霊的アプローチが可能となるのは、長期にわたる実証的な心霊研究の歩みがあったからです。そしてその心霊研究によって、霊界から直接もたらされた膨大な霊的知識・霊的情報が蓄積されてきたからなのです。

スピリチュアリズムの心霊現象論では、心霊現象を引き起こす霊（霊魂）やその霊的背景に直接アプローチするため、心霊現象の実態をストレートに把握することができるようになっています。心霊現象の多くが、霊界にいる霊たちの働きかけによって生じています。スピリチュアリズムでは、そうした心霊現象の“主役”である霊たちの考え・心情・動機・意志までも含めて、心霊現象の実態やメカニズムを明らかにしています。

心霊現象については「霊的視点・霊的視野」に立たないかぎり、その実態と本質を正確に把握することはできません。スピリチュアリズムの心霊現象論は、心霊現象の内側にアプローチすることでその実相を明らかにするものであり、それはスピリチュアリズムによって初めて可能となったのです。スピリチュアリズムの心霊現象論は、地上人の視点（物質次元の視点）ではなく、「霊的視点」に立ってその実態と本質を解明する画期的な「総合的心霊理論」なのです。

地球上に登場したすべての心霊現象をフォロー――心霊現象の全体を解明するための二方向からのアプローチ

「スピリチュアリズムの心霊現象論」では、人類史上に登場したすべての心霊現象をフォローするために、二通りのアプローチをします。地上世界にこれまで存在したあらゆる心霊現象を二方面から分析し、「霊的真理」に照らしてその本質を再確認・再検証します。その２つのアプローチとは――「通時的（歴史的）アプローチ」と「共時的アプローチ」です。

「通時的アプローチ」とは、心霊現象全体の縦方向の流れを霊的真理の観点から分析しようとするものです。すなわち過去に地球上に存在した心霊現象を霊的視点から検討し理解するということです。心霊現象は時代的な特徴を持っています。新しい時代を迎えるにともない、心霊現象はそれまでの形を少しずつ変えていきます。心霊現象の通時的研究は、歴史的に推移してきた心霊現象の土台、すなわち時代とともに変化してきた心霊現象の底辺に存在する共通の本質部分を、その内側から明らかにしていこうとするものです。

もう一つの「共時的アプローチ」とは、現在の地球上に存在するすべての心霊現象を霊的真理の観点から分析し、心霊現象の本質を確認しようとするものです。通時的アプローチが心霊現象の本質をその縦方向の流れの中から理解しようとするのに対し、共時的アプローチは現在の地球上に存在するあらゆる心霊現象の本質を霊的真理に照らして確認すると同時に、個々の心霊現象を成立させている要素や条件・発生メカニズムをも明らかにしようとするものです。

「通時的アプローチ」と「共時的アプローチ」を通して歴史上のすべての心霊現象と、現在の地球上に存在するすべての心霊現象の本質を解明することができるようになります。心霊現象を「一貫した心霊理論」のもとで整理し、理解することが可能となります。二方向からのアプローチによって、人類史上に存在してきた心霊現象の全体をフォローすることができるようになるのです。第２部の「スピリチュアリズムの心霊現象論（総論）」の構成は、こうした２つのアプローチを中心軸としています。縦軸と水平軸の二方向からのアプローチによって、地球上に現れたあらゆる心霊現象を高所から眺め下ろして整理し、心霊現象に対する最も深淵でスケールの大きな見識を導いていきます。