（６）心霊現象をめぐるスピリチュアリズムと近代科学の対立

教理組織宗教は、「霊的存在への信仰」という人間として当たり前の自然的生き方を、異端として迫害排斥し、抹殺しようとしてきました。一方、近代以降に大発展した科学は、「霊的存在への信仰」を、迷信・妄想・幻想として抹殺しようとしてきました。この意味で教理組織宗教と近代科学を奉じる唯物論者は、霊的存在への信仰とスピリチュアリズムにとって“最大の共通の敵”と言えます。

初期スピリチュアリズムは、「心霊現象」によって幕が開きました。そこに近代科学者が加わることによって人類史上、初めて「唯物論」と「心霊現象」が正面からぶつかることになりました。それまで科学者は心霊現象を、宗教領域内での出来事として軽蔑・無視してきましたが、ここにおいて心霊現象の真偽の検証に全力を挙げて取り組むことになりました。これが「近代心霊研究」と言われているものです。こうして初期スピリチュアリズムでは、スピリチュアリズムと唯物論の勢力との間で全面的戦いが展開することになりました。心霊現象を否定する側の代表である当時の一流の科学者と、霊界側の勢力が正面衝突することになったのです。

霊界側は、科学者の前に次々と心霊現象を見せつけ、それを研究させるという前代未聞の動きをつくり出していきました。そして研究に携わった科学者に例外なく死後の霊魂の存在を認めさせることに成功しました。現在においても科学は心霊現象を否定するもの、科学者は心霊現象を認めないものといった風潮が根強く支配していますが、本当はそうした見解は錯覚以外の何ものでもありません。科学と心霊現象は本来、対立するものではなく両立するものなのです。

ここでは「心霊現象」をめぐるスピリチュアリズムと近代科学の対立の問題を取り上げます。