心霊現象を目のあたりにしても信じようとしない人・懐疑心を持ち続ける人

心霊現象に対する典型的な三通りの反応が存在します。まず第１のタイプは、心霊現象に直接触れてもその事実を認めようとしない人間です。あるいはマジックの類で何かトリックがあるかもしれないとの懐疑的姿勢を崩さない人間です。これは頑固な「唯物論者」に見られるタイプです。彼らの大半が、初めから「霊魂説」を迷信や間違った信仰のように考えています。“死後の世界などあるはずがない”と頑に思い込んでいます。

実はこのタイプの人間は、霊的なものに対する感性（霊的受容性）が欠落しているために、こうした結果を招いているのです。いつまでたっても真実を悟ることができず、せっかくの地上人生を的外れのままで終えてしまう人もいます。真実を真実と認めることができず、自分の思い込みの世界から一歩も出られないかわいそうな人間と言えます。彼らの中には、稀に衝撃的な人生体験や苦しみを通して霊的に覚醒し、霊魂説を認めるようになる人もいます。

文句のつけようがない心霊現象（＊現代の超能力者“マクモニーグル”の透視のような）を前にしたとき、彼らはどのような理屈でもって、目の前の事実を否定しようとするのでしょうか。透視能力者が、一度も行ったことがない場所の様子を詳細に述べ、照合してみたら全くその通りであったというような現実を、どのように否定しようとするのでしょうか。事実を屁理屈によって否定しようとする方が、はるかに非合理的・非論理的なのですが、どうしても事実を受け入れられないのです。そうした人間に限って、心霊現象を信じる人を“知性が低い”といって軽蔑しますが、本当は彼らの「霊性の低さ」が真実を見えなくさせているのです。

私たちは、こうした人間を相手にする必要はありません。彼らも、いつの日か人生上の苦難に遭遇して「霊的意識」が覚醒し、霊魂の存在を認める時を迎えるようになるかもしれません。もしそうでなければ死後、霊的世界の現実を突きつけられ、屈辱と後悔の中でその事実を認めることになるのです。

簡単に信じるが、心霊現象の深い意味を悟ることができない人々

第２のタイプは、好奇心から心霊現象や霊能者や占いに飛びつく人間です。一般に最も多く見られるタイプです。彼らは評判のよい霊能者がいることを聞きつけると、真っ先に飛んで行って相談にのってもらおうとします。こうした人々は、死後の世界の存在も霊魂説も抵抗なく認めます。時には唯物論者に反論し、霊魂説や霊能者を擁護するようなこともあります。

しかし彼らの心霊現象や霊能者への関心は、常にこの世の利益や幸福に結びついています。彼らが心霊現象や霊能者に関心を向けるのは、つまるところ自分の物欲を満たし、物質的な利益や幸福を手にしたいと考えているからなのです。彼らは「霊魂説」が意味することの重要性や、「霊魂説」が人生観に及ぼす影響など全く理解することができません。「霊魂説」が人間の生き方を根本から変え、内面世界の質を高めることを目的としていることなど思いもよりません。心霊現象という奇跡によって、普通では得られないようなこの世的な利益や幸福を手に入れることだけに関心が向けられているのです。

ニセ霊能者に最も騙されやすいのが、このタイプの人間です。それは物欲的で低俗な好奇心に走ったことのツケ、自業自得の結果と言えます。一言で言えば「霊魂説」の持つ重要性を理解できない霊性の低い人間ということなのです。せっかく心霊現象を見ても、そこから大切なことを悟ることができないのです。馬鹿げた“スピリチュアル・ブーム”をつくり出し、それを支えるのがこうした人々です。彼らは、ニセ霊能者にとって名声獲得のための“絶好のカモ”です。また、ニセ霊能者をタレントに仕立てあげて利益を得ようとするテレビ局や出版社にとって実に都合のいいカモなのです。

心霊現象を見なくても「霊魂説」の真実性と重要性を理解できる人間

第３のタイプは、心霊現象を直接見なくても、スピリチュアリズム関連の書籍を通じて「霊魂説」の真実性と、その思想的重要性を理解できる人です。優れた霊性を持っているために霊的内容が魂の琴線に触れ、霊魂説の重要性を正確に理解できるのです。「霊的受容性」のある人です。そうした人は好奇心から心霊現象に関心を持つ多くの人々とは違い、霊魂説の意味する「より内面的な生き方」に意識が向くようになります。霊魂説から霊的人生へ、そして霊的成長へと意識が高まっていくのです。一定の霊性レベルにまで至っている人々は、その目で心霊現象を見なくても、書籍等の情報を通じて「霊魂説」と「霊的真理」を理解できるのです。

こうした霊性の優れた人間、高度なインスピレーション受信能力を持っている人間が、これからの時代には次々と現れるようになっていきます。

今後のスピリチュアリズムの主流をなす霊性の優れた人間

今後のスピリチュアリズムの主流は、霊性の優れた人々によって占められるようになっていきます。彼らは日常生活において「霊魂説」や「霊的真理」に基づく歩みをなしていきます。霊的真理を実践する人々がスピリチュアリズムの主流を形成することによって、地上人類の霊的成長が大きく推し進められていくようになるのです。今は、まさにそうしたスピリチュアリズムの質的向上と飛躍を迎えるための準備期間なのです。

心霊現象を通じて霊魂説が受け入れられてきた時代から、「霊性（霊的受容性・霊的直感）」によって初めから霊魂説の真実性を確信していく時代に入ろうとしています。すでに霊魂説を証明するための物理的心霊現象の必要性は減少し、ストレートに「霊的真理」が受け入れられ、さらに「真理の実践」が中心となるような時代を迎えようとしているのです。