「物体感応現象」とは

「物体感応現象」という用語は、本サイトで初めて使用します。物体感応現象の具体例としては、「ダウジング」が真っ先に挙げられます。ダウジングについては昔から広く知られていますが、これまでそのメカニズムは明らかにされてきませんでした（＊「ダウジング」については、この後で詳しく説明します）。

ダウジング以外には「アプライド・キネシオロジー」や「Ｏリング」が挙げられます。アプライド・キネシオロジーは近年、カイロプラクティックの中で発見・考案された生体検査法・診断法です。Ｏリングはアプライド・キネシオロジーの応用版で、日本人医師の大村氏によって考案されたものです。Ｏリングは、生体検査法としてホリスティック医学などで広く用いられています。

これまでアプライド・キネシオロジーやＯリングに関して、さまざまな仮説が唱えられてきましたが、説得性のある説明は現在に至るまでなされていません。アプライド・キネシオロジーやＯリングは不思議な現象、用い方によっては大きな可能性を秘めた現象であることは事実ですが、検査結果がきわめて不安定であるという致命的な問題によって、正統医学からは懐疑的な目で見られています。

今、スピリチュアリズムの霊的知識によって初めて、ダウジングやアプライド・キネシオロジーに対する正しい理解が可能となりました。霊的知識によって、これらの現象に共通する要素やメカニズムが明らかにされ、これらを一つの現象として分類できるようになりました。ダウジング、アプライド・キネシオロジー、Ｏリングを共通の現象として理解することが可能となったのです。

「物体感応現象」と対比される現象は、「精神感応現象」すなわち「テレパシー現象」です。テレパシーは、人間の精神・心理が、他人に直接的に伝達される現象です。テレパシーでは、人間のさまざまな精神的・心理的要素がストレートに他人に伝わります。「精神感応現象」は、人間の心の内容が他人によって感知されるという現象です。それに対して、ここで取り上げる「物体感応現象」は、物体から発する放射物（物体オーラ）が人間によって感知され反応を引き起こす現象です。「精神感応現象（テレパシー現象）」は、人間が通常の感覚を用いずに他人の心を感知する現象、「物体感応現象」は、人間が通常の感覚を用いずに物体の情報を感知する現象ということになります。

■精神感応現象（テレパシー現象）

霊能者が他人の心・精神を感知する現象

■物体感応現象（ダウジング、アプライド・キネシオロジー・Ｏリング）

超能力者が物体オーラの情報を感知する現象

先に取り上げた「サイコメトリー現象」は、物体から発する物体オーラに刻印されている記憶（メモリー）を霊能者が読み取るというものでした。霊能者がサイコメトリー能力と霊視力を発揮して、物体オーラの記憶情報を読み取ります。その結果、物体の所有者の情報や、所有者とその物体との関係や歴史・出来事などを知ることができます。サイコメトリー現象は、霊能者が物体からの放射物（物体オーラ）を感受するという意味で「物体感応現象」の一種と言えます。

しかし「サイコメトリー現象」は、ここで取り上げる一般的な物体感応現象（ダウジング、アプライド・キネシオロジー、Ｏリング）とは、本質的な部分で大きな違いがあります。そのためサイコメトリー現象については、一般の「物体感応現象」とは別の現象として区分します。

以下では、物体感応現象の代表格である「ダウジング」について説明したうえで、ダウジングとサイコメトリーの違いを明らかにしていきます。

物体感応現象とは――「ダウジング」の実例

サイコメトリー現象もダウジング現象も、人間が“物体の放射物（物体オーラ）”にアクセスするところから始まります。ダウジングでは、ある種の超能力を持った人間が、振り子やＹ字形の枝（＊“杖卜”とか“占い棒”と呼ばれます）を持って目的とする物体（水脈・鉱脈・石油・温泉など）に近づくと、それらが激しく反応するようになります。振り子が激しく振れたり、杖卜が地面にばたっと倒れたりします。そしてそこを掘ると、本当に水脈や鉱脈が発見されます。このようにして水脈や鉱脈を探し出す占いのような行為が昔から行われてきました。実際、そうした方法によって多くの水脈や鉱脈が発見されました。

一方、ダウジングは、失踪者の捜索にも用いられることがあります。失踪者の身につけていた衣類や装飾品をダウジング超能力者に渡すと、広げた地図の上で振り子や杖が、目的とする人間の居場所や方角を示します。そして驚くことに、実際に失踪者の居場所が突き止められることがあるのです。

占いに似ているようで占いとは異なるこの不思議な現象について、これまでさまざまな仮説が立てられましたが、いまだに明確な説明はなされていません。そして現在でもダウジングは謎の現象とされ、その謎と神秘性が多くの人々の好奇心を駆り立てています。ダウジングを「心霊現象」の一種ではないかと考える人もいます。

物体感応現象（ダウジング）

ダウジングのメカニズム――“物体オーラ”を感知する「肉体の超能力」

ダウジングによって地中の水脈を探し当てるというようなことが、どうして可能になるのでしょうか。振り子やＹ字型の杖に特別な秘密や装置があるわけではありません。すでに説明してきましたが、人間や動物などの生命体からは“生体エネルギー”が体外に放射されています。これが“オーラ”です。オーラにはさまざまな次元があり、多くの種類があります。

例えば人間の場合、肉体からは“肉体オーラ”、霊体からは“霊体オーラ”が放射されています。さらに霊体オーラにはさまざまな種類があり、「霊」から出ているもの、「霊の心」から出ているもの、「霊体」から出ているものといったように、異なるオーラが一つの場に重複して存在しています。

実はこうしたオーラは生命体から放射されるだけでなく、生命体ではない物体からも放射されています。あらゆる物体から、放射物（物体オーラ）が出ているのです。そして驚いたことに、人間が物体と接触すると、その“物体オーラ”の中に本人の情報が刻印されることになります。ちょうど映画のフィルムやレコードやＤＶＤのように、物体オーラの中にさまざまな情報が刻み込まれることになるのです。その記憶（メモリー）を霊界人や霊能者が読み取るのが、先に取り上げた「サイコメトリー現象」です。

物体オーラは、あらゆる物体から放射されています。その物体オーラを霊能者の「霊体」がキャッチして、その中に含まれている情報を読み取ります。一方、霊体ばかりでなく「肉体」も、物体オーラをキャッチする能力を備えています。物体オーラをキャッチする能力は霊体だけでなく、肉体にも備わっているのです。こうした肉体に内在する能力は、他の動物にも共通しています。そしてそれが「動物の超能力」として、しばしば話題になります。太古の人間は「肉体に内在する超能力」をごく日常的に発揮していましたが、物質文明の発展にともないその能力を退化させることになってしまいました（＊こうした状況は、霊体の霊能力についてもそのまま当てはまります。古代人は「霊体能力」を発揮していましたが、物質文明の発展にともない「霊体能力」は退化してしまいました。今では「霊能者」と呼ばれる一部の人間だけが、その能力を発揮しているにすぎません）。

動物は、人間よりもはるかに多くの“物体オーラ”をキャッチし、それに反応して生きています。物体オーラを通して、その物体が自分の肉体にとってプラスとなるものか、マイナスとなるものか、健康を増進するものか、肉体を弱らせるものかを直感的に判断し、自然に一致した生き方をしています。そのようにして動物は自然界と一体化し、自然の摂理にそって肉体を維持しているのです。“動物的直感”とは、こうした肉体に備わっている「超能力」を意味します。人間も本来、動物が発揮しているのと同じ超能力を有しているのですが、大半の現代人はその能力を発揮できなくなっています。一部の人間（超能力者）だけが、肉体に内在する超能力を発揮しているにすぎません。

物体オーラをキャッチし、それが肉体にプラスとなるものか、反対にマイナスとなるものかを直感的に感じ取る「超能力」は、ある種の防衛本能と言えます。しかしこうした肉体に備わっている「超能力」は、霊体に所属しているものではないため「霊能力」とは言えません。通常の感覚を超えているという意味で「超能力」と呼ぶことはできますが、それはどこまでも肉体次元に所属する能力であり、「霊能力」ではないのです。

ダウジングは、こうした「肉体の超能力」が物体オーラをキャッチし、それに反応することで引き起こされる現象です。地中の水脈から放射される水のオーラをキャッチすると、筋肉が反応して探している対象物であることを示すのです。ダウジング超能力者が水脈の近くに来ると振り子が大きく振れ始めたり、手に持っていた杖が突如地上に倒れたりします。「肉体の超能力」が水脈から発している“物体オーラ”をキャッチし、それに連動して筋肉反応が引き起こされるのです。周りにいる人間の目には、振り子を持った人間が意図的に大きく振っているように映りますが、実際には本人はほとんど無意識のうちにこうした動きをしているのです。

「サイコメトリー現象」と「ダウジング現象」の違い

サイコメトリーは、霊能者の霊体にある「霊能力（サイコメトリー霊能力）」が、物体オーラに記憶されている情報を読み取る現象です。それに対してダウジングは、肉体の「超能力」が物体オーラをキャッチして反応する現象です。ダウジングでは、物体オーラの情報内容まで読み取ることはできません。この点で、サイコメトリーとダウジングには根本的な違いがあります。両者は「物体オーラにアクセスする」という点では共通していますが、その先が全く違うのです。

サイコメトリーは霊体の「霊能力」が関与する「心霊現象」ですが、ダウジングは霊体の霊能力ではなく、肉体の「超能力」によって発生する現象であり、心霊現象とは言えません。ダウジングは確かに不思議な現象ですが、それはどこまでも物質次元における「超能力現象」なのです。

ダウジングのレベルアップ――ダウジングの「心霊現象化」

ダウジングは純粋に物質次元の現象ですが、状況によっては物質次元から霊的次元にまで引き上げられるようになります。ダウジングによって失踪者・行方不明者の捜索が行われることがあります。霊的能力のある者が、失踪者が身につけていたモノ（物品）に触れることによって“物体オーラ”にアクセスします。するとその瞬間、霊能者と失踪者の間に霊的通路（霊的パイプ）が形成され、両者の間に「テレパシー回路」ができ上がります。それにともない、ダウジングをする人間の「霊体能力」が活動を開始するようになります。「テレパシー回路」が形成されることによってダウジングは、物体反応現象のレベルを超えて純粋な心霊現象のレベルに引き上げられるようになります。「物質次元の現象」から、テレパシーを土台とする「心霊現象」へと変化するようになるのです。純粋な物質次元の現象が、サイキック心霊現象、時には霊界人が協力するスピリチュアル心霊現象にまでレベルアップすることになるのです。

対象とする人間との間に「テレパシー回路」がつくられると、それを通じて相手の情報が次々ともたらされるようになります。そしてその情報に基づいて、手にした振り子や杖が本人に関する質問の答えを示すようになります。例えば地図を開いて振り子をかざすと、一つ一つの方向に対してイエスかノーかの反応を示すようになるのです。こうした選択を振り子にさせることで、失踪者や対象者に迫っていくことが可能となります。すでに他界している人間か、存命中の人間かについてもダウジングによって知ることができます。

もちろんここまで明確な反応を得るためには、ダウジングをする人間の「霊能力（テレパシー霊能力）」が開発されていることが大前提となります。霊能力が全くない人間がダウジングで失踪者を探そうとしても、正しい反応が得られなかったり、時には低級霊の介入を受けてトラブルを発生させ、翻弄されるだけの結果に終わってしまいます。

「アプライド・キネシオロジー」と「Ｏリング」について

ダウジングと同じようなメカニズムで発生する物体感応現象が「アプライド・キネシオロジー」と「Ｏリング」です。アプライド・キネシオロジーとＯリングは、最近になって発見された検査法で“現代版のダウジング”と言えます。これらは病人に与える薬草や栄養素の種類を決めたり、その分量を決定する目的でカイロプラクティックの中で盛んに用いられています。

患者にある種の漢方薬や栄養素を握らせると、その瞬間、筋肉に力が入ったり反対に力が抜けるといった反応が発生します。筋肉に力が入る、すなわちエネルギーレベルが高まるということは、握らせた漢方薬や栄養素が患者のエネルギーレベルをアップさせるということを意味します。「健康にプラスとなる」ということを示しています。このようにして何十種類もの試薬の中から、患者の健康増進にプラスの作用をもたらすものを探していきます。実際にやってみると、確かに際立ってエネルギーレベルを上げるものがあることが分かります。次にこの試薬（薬・栄養素）の量を決めなければなりません。徐々に量を増やしていく中で、ある効果点（最も筋肉に力が入る点）につき当たります。このようにしてアプライド・キネシオロジーやＯリングによって、摂取する薬草や栄養素の種類と適量が決定されます。ダウジングでは“振り子”や“杖卜”が目的とする物体の存在を示しましたが、アプライド・キネシオロジーでは人間の筋肉がそれをするようになるのです。

アプライド・キネシオロジーやＯリングによって、肉体に良い影響をもたらす種々の要素を知ることができます。どんな色の洋服がいいのか、どんな材質の洋服がいいのか、どんな匂いがいいのか、どんな食器がいいのかといったように、日常生活の中で触れるさまざまなモノ（物品）の影響力を明らかにすることができるのです。それによって私たち人間の肉体は、環境中のあらゆる物体から大なり小なり影響を受けていることが分かります。

“診断法”としてのアプライド・キネシオロジーとＯリング

アプライド・キネシオロジーとＯリングは、肉体の超能力が“物体オーラ”を感受・感知して、筋肉を通じてその良し悪しを示すという現象です。一方、肉体の超能力は肉体から放射される“肉体オーラ（生体磁気エネルギー）”もキャッチします。肉体オーラは、ある種の物質次元のエネルギーだからです。そのためアプライド・キネシオロジーとＯリングによって、肉体のさまざまな検査をすることが可能となります。

肉体の悪い箇所からは異常な“肉体オーラ”が放射されています。肉体の超能力は、この異常な肉体オーラをキャッチし、筋肉反応を通じてそれを示します。患者の肉体の悪い箇所に接触すると、筋肉の力が抜け、そこが異常であることが分かります。

アプライド・キネシオロジーとＯリングの欠点

こうした説明を聞くと、アプライド・キネシオロジーとＯリングは、いいこと尽くめのように感じられるかもしれません。確かにアプライド・キネシオロジーとＯリングはそれなりの可能性を秘めていますが、同時に大きな欠点も抱えています。“筋肉”は振り子や杖卜と比べると、きわめて敏感に反応します。大げさで劇的な反応を示します。それは検査法・診断法としての長所と言えますが、同時にその長所は欠点にもなってしまいます。ちょっとしたことで、診断結果が大きく揺れ動いてしまうのです。あまりの感度の良さが、測定という肝心な点にマイナスになってしまうということです。その結果、あまり頼りにならない診断法・検査法と見なされるようになっています。

心理的要素・精神的要素がアプライド・キネシオロジーやＯリングに及ぼす影響とそのメカニズムが分からないために、解決法を見いだすことができずにいます。

物体感応現象（キネシオロジー）

物体感応現象（Ｏリング）

ダウジングでは、振り子や杖卜の動きによって目的とする物質（水脈・鉱脈など）を探りあてようとしますが、アプライド・キネシオロジーやＯリングでは、自分にとって良い影響を与える物質（薬草・栄養素など）かどうかを筋肉の反応で知ることができます。

アプライド・キネシオロジーやＯリングでは、ダウジングと違って初めから相手の人間が目の前にいます。そして直接、身体に接触することになります。そうした状況下では、実験者と被験者の間に「テレパシー回路」が開かれ、実験者の思いが患者（被験者）の心にストレートに伝達されるようになります。アプライド・キネシオロジーやＯリングの場合、実験者は患者（被験者）に対して意識的に上位の立場にいます。したがって実験者の思いが、患者の心に大きな影響を及ぼすようになります。“テレパシー”によって実験者の思いが患者の心に混入し、かなり強く支配するようになるのです。これは低次元の心霊現象、低次元のテレパシー現象と言えます。そのため実験者が思い描いているような結果、期待しているような結果が患者の筋肉を通じて示されることになります。こうして示された結果は、物体オーラに対する患者の肉体の超能力による反応ではなくなってしまいます。実験者の思いや期待に対する反応にすぎなくなってしまいます。

サイキック・レベルのダウジングでは、霊能者が相手の記憶にアクセスするという複雑で面倒なプロセスを経なければならないために、また対象となる人間が目の前にいないために、アプライド・キネシオロジーのような実験者（ダウジング実施者）の観念が混入するといった事態は避けられます。それに対してアプライド・キネシオロジーやＯリングの場合には、患者が目の前にいて、さらに身体接触を通じて検査がなされるため、すぐに低次元の心霊現象が引き起こされてしまいます。そのため純粋な検査結果が得られず、検査のたびごとに結果が変化し安定しないことになります。そして外部からは、「アプライド・キネシオロジーやＯリングは信用できない」という評価が下されることになります。

地上人の場合、肉体と霊体が一体的な関係にあるため、肉体の影響はすぐに霊体に伝わり、影響を及ぼすようになっています。したがってアプライド・キネシオロジーやＯリングのように被験者（患者）を目の前にして、身体に接触するような状況下では、純粋な物体オーラの測定は難しいのです。

アプライド・キネシオロジーとＯリングの「心霊現象化」の可能性

先にダウジングについて説明した際に、ダウジング実行者に「霊能力（テレパシー能力）」があれば、物体オーラにアクセスすることによって、オーラに記憶を刻印した人間（所有者）との間に“霊的通路（霊的パイプ）”が開かれることを述べました。それによってダウジング現象は、物質次元から霊的次元に移行するようになります。霊能者と所有者との間に“テレパシー”による霊的関係がつくられ、一気に多くの情報がもたらされるようになるのです。実はこれと同じようなことが、アプライド・キネシオロジーやＯリングの場合にも発生する可能性があります。

被験者に、ある人間が身につけていた物体を握らせて“物体オーラ”にアクセスすることによって、所有者との間に「テレパシー通路」を形成することができるようになります。すると物体の所有者に関する質問の答えを、（イエス、ノーの形で）筋肉に反応させることが可能となるのです。物体の所有者がすでにこの世を去って霊界にいる場合でも、その人間との間に“霊的パイプ”が形成され、さまざまな情報を得ることができます。ただし、そのためには実験者か被験者のいずれかに「テレパシー霊能力」があることが必須条件となります。

テレパシー能力がないのに、無理をして他人の情報を知ろうとしても不可能です。霊媒現象では、霊媒が霊界の“霊”のメッセージを伝えていると思っていたら、実は“サニワ”の心の内を語っていたにすぎないといったケースがよくありますが、それと同じようなことが発生してしまうのです。「実験者の心の内を被験者の筋肉が代弁していただけ」というようなことが起こってしまうのです。

アプライド・キネシオロジーとＯリングの問題点

現在は、アプライド・キネシオロジーやＯリングの解釈をめぐって、ちょっとした混乱状態にあります。アプライド・キネシオロジーやＯリングでは、誰でも簡単に反応を引き起こすことが可能ですが、それにともなう不安定さを克服することができません。その原因は、起こされた反応（現象）の背後にある霊的状況が全く分からないという点にあります。霊的知識の乏しさから、正しい理解が得られないのです。

アプライド・キネシオロジーやＯリングでは、あまりにも劇的な反応が引き起こされるため、それにのめり込んでしまい、次々と混乱が生じるようになります。かつて平安貴族が占いや陰陽道に翻弄され運命に怯えて暮らしたように、アプライド・キネシオロジーにのめり込むと、その反応に翻弄されて疲れ果て、神経衰弱にもなりかねません。その一方で、アプライド・キネシオロジーやＯリングは、好奇心旺盛な現代人によって気軽な占いのような立場に貶められています。

アプライド・キネシオロジーやＯリングによって、私たち人間は常にさまざまな物質から影響を受けていることが分かります。しかしそうした物質よりも、人間の心の要素（愛情・励まし・憎しみ・悲しみ・希望・信念・信仰心）の方がはるかに大きな影響力を持っています。人間には、単なる物質の影響力を跳ね返すだけの「精神力」が備わっているのです。人間の心理・精神状態によって身体全体の生体エネルギーレベルが変化し、健康状態が大きく左右されることになります。人間は外部（周りの物質）から絶えずさまざまな影響を受けていますが、心がしっかりしていれば、それに翻弄されるようなことはなくなります。人間の精神力と比べれば、物質の影響力はそれほど大きなものではありません。そこに人間の“自由意志”の問題が絡んでくるのです。