「マグネティック・ヒーリング」の特色

スピリチュアル・ヒーリングで用いる治療エネルギーは、３種類に分類されます。霊界のスピリット（霊医）がつくり出す「スピリット・エネルギー」、ヒーラーの霊体にある「サイキック・エネルギー」、ヒーラーの肉体にある「マグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）」です。

このうちマグネティック・エネルギーを用いる治療法が「マグネティック・ヒーリング」です。マグネティック・ヒーリングは、ヒーラーが自分のマグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）を患者に与えて病気を癒すもので、ハリや灸・マッサージなどの手技療法がこれに相当します。

“生命エネルギー”について

地上人の肉体には、肉体を生命体ならしめている「生命エネルギー」が存在します。一般的に言う「生命力」のことです。この生命力が失われると肉体は死を迎え、肉体は“生命体”から単なる“物体”に変化します。古来、「死とは何か」という議論が続けられてきましたが、いまだに明確な定義は確立されていません。生きていたときの肉体と死んでからの肉体を比較しても、その重さや外形に変化はありません。

このことからも死体と生体の違いは、生命エネルギー（生命力）があるかどうかという点にあることは、誰もが認めるところです。しかし、その「生命エネルギー（生命力）とは何か」ということになると、これまで全く分かりませんでした。実はこの「生命エネルギー」は肉体だけでなく、霊体にもあるのです。

肉体の「生体エネルギー」とオーラについて

肉体には、肉体の生命活動を維持し、その活動の原動力となる「生体エネルギー」が存在します。この肉体の生体エネルギーは体内をめぐっているだけでなく、常に体外にも放射されています。これが“肉体オーラ”です。オーラにはこれとは別に霊体から放射されている“霊体オーラ”があります。肉体オーラは物質的エネルギーで、物質性をともなっています。そのため物理的な計測器・観測機によってその存在を認識できます。一方、肉体オーラは熱として誰にでも体感できます。手を肉体から10センチほど離してかざすと温もりを感じますが、それはオーラが熱エネルギーをともなっているからです。

英国人キルナー博士は、ダイシャニン溶液を塗ったスクリーンを用いて“肉体オーラ”が撮影できることを発見しました。博士は、人体からさまざまなエネルギーが放射されている事実を明らかにしたのです。肉体オーラの写真には肉体の異常部分（低体温部分など）が映像として写りますが、それ以上の情報を得ることはできません。

最近ではこのオーラの写真から、本人の運命や霊的な内容を言い当てる占いが流行しています。しかし肉体オーラをどれほど分析しても、それらについて知ることはできません。オーラを低俗な好奇心・興味の対象として扱い、金儲けに利用することは間違っています。

肉体の「生体エネルギー」を確保するための２つのプロセス

生命体の活動を維持しているのは「生命力」です。人間や動物・植物という生物は、生命力と物質の外形体が一体化した存在です。人間の肉体を生命体ならしめている生命力とは、ある種の「霊」であり、「生命をつかさどる高次元の霊的エネルギー」のことです。この生命エネルギーがなくなれば肉体を維持することはできなくなり、肉体は“死”を迎えます。「生命力」によって、肉体の生存に必要なエネルギー（生体エネルギー）が確保されているのです。

では、その肉体の生体エネルギーは、どのようにして得られるのでしょうか。人間の肉体を維持する「生体エネルギー」は、２つのプロセスを通して獲得されます。一つは、誰もがよく知っている“エネルギー代謝”です。人間や動物は、物質界にある食べ物と水と空気（酸素）を体内に取り入れ、それらを燃焼させることによってエネルギーを得ています。これがエネルギー代謝です。人間の肉体は、その生存に必要なエネルギーを得るための仕組みをすべて備えており、肉体はまさに熱（エネルギー）を発生させるための機関と言えます。

私たち地上人は毎日、物質界から燃焼に必要な材料を調達し、体内で燃焼させて生体エネルギーをつくり出しています。もし食物や水や空気を摂取できなくなると、エネルギー代謝ができなくなって肉体は死を迎えることになります。一方、運動不足や肉体の酷使や間違った食事などによって、エネルギーの生産プロセスの能力が低下すると、エネルギー不足から肉体に異常（病気）が発生するようになります。

「生体エネルギー」を獲得するプロセスには、エネルギー代謝以外にもう一つありますが、一般的にはほとんど知られていません。それは、霊体の「サイキック・エネルギー」を肉体に取り入れて、肉体の生体エネルギーに転換するというものです。霊体のサイキック・エネルギーは、霊体と肉体という２つの身体の接点を通過する際に、肉体の生体エネルギーに転換されます。こうしてつくり出された肉体の生体エネルギーが「マグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）」です。マグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）は肉体内を循環して、全身のさまざまな機能を調整する働きをします。また必要に応じて熱エネルギー源となり、肉体の生命活動を支えることになります。

「霊体エネルギー」によって肉体を維持する

私たち地上人の肉体の生命活動は、代謝エネルギーとマグネティック・エネルギーという２種類の肉体の生体エネルギーによって維持されています。「マグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）」は、霊体にあるエネルギー（サイキック・エネルギー）が肉体の生体エネルギーに転化されたものです。

ヨーガ行者の中には、食と水を絶ちながら何十年も生き続けるという常識では考えられないような人間が存在します。そうしたヨーガ行者がテレビで紹介されると、科学者や医者は決まって“そんなことがあるはずはない”と頭から否定します（＊スピリチュアリズム初期の心霊研究の時代に、他界した人間が物質化現象によって再び身体を持って現われるという話を、すべての科学者が頭から否定したのと同じです）。しかし、そのヨーガ行者を最新の検査機器を用いて厳格に検証しても不正は一切見つからず、それが事実であることが証明されます。科学者や研究者は、現代の科学や医学の常識が全く通用しない現実を前にして、それをどのように解釈したらいいか分からず途方にくれます。

実はこうした超常的な出来事は、スピリチュアリズム初期に霊界からひんぱんに演出された「物理的心霊現象」と同じようなものなのです。物質世界と肉体がすべてだと思い込んでいる現代人、特に科学者に対して霊的世界があることを認めさせるために霊界から演出されている特殊な心霊現象なのです。厳しい霊的修行によって霊的コントロールが完璧にできるようになった人間に、霊界から働きかけがなされることによって、通常ではあり得ないような現象がその人間の体内で生じます。霊界の霊によって大量の「霊的エネルギー」が霊体にもたらされ、それが「マグネティック・エネルギー（肉体の生体エネルギー）」に転換されて、肉体機能が維持されることになります。一方、日常の飲食によって得ていた「物質エネルギー（熱エネルギー）」は、マグネティック・エネルギーから転換されて補給されます。

このように霊体の「サイキック・エネルギー」が大量に肉体へ流入することで、肉体が必要とするエネルギーが確保されることになります。そのため飲食を長期にわたって断った状態でも生存できるようになるのです。

また、何日間も土の中に埋められたままで生き続けるヨーガ行者もいますが、これも同様のケースです。行者の霊的コントロール能力を利用して霊界から働きかけ、行者の体内で特殊な「物理的心霊現象」を発生させたものです。霊主肉従の状態を極限にまで高めると、「霊体エネルギー（サイキック・エネルギー）」を用いて必要な生体エネルギーを獲得し、肉体を維持することができるようになるのです。

肉体の「生体エネルギー」の枯渇状態と病気の発生

地上の人間は、２つの異なるルートを通して肉体に必要な「生体エネルギー」を確保しています。生体エネルギーは肉体の生命活動の源で、十分なエネルギーが得られないと生命活動に支障をきたすことになります。

現在、地球上に生きている多くの人々、特に先進諸国の人間は、この大切な生体エネルギーを枯渇させています。生体エネルギーが十分にあれば、肉体に備わっている生体維持機能が健全に働き、健康を保つことができるようになります。もし生体エネルギーが不足すると、“健康な地上人生を送るように”と神が与えてくれた生体維持機能が低下し、病気を発生させることになってしまいます。現代人が病気を蔓延させている現実は、多くの人間が生体エネルギーを不足させていることを意味しています。それを端的に示しているのが、最近、問題視されるようになった“低体温症”です。体温が異常に低い人間が増加し、これが病気発生の大きな原因となっています。低体温症は、現代人のエネルギー生産システム能力の低下を物語っています。

低体温症の大きな原因は、マイナスのストレスです。ストレスは「霊の心」を不調和状態にし、霊的エネルギーの循環システムを異常にして「マグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）」の補給に大きな支障をきたします。低体温症の別の原因として、肉体の酷使や不規則な生活・運動不足・間違った不自然な食生活などの物質次元の原因が挙げられます。これらは物質を燃焼させて生体エネルギー（代謝エネルギー）を生産する代謝プロセスのレベルを下げてしまいます。

現代人の多くが、こうしたさまざまな理由から肉体の「生体エネルギー」を枯渇させ、病気を蔓延させているのです。

「マグネティック・ヒーリング」のメカニズム

マグネティック・ヒーリング（生体磁気ヒーリング）では、ヒーラーのマグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）が患者の霊体と肉体の接点から身体内部に入り、肉体の生体エネルギーレベルを引き上げることになります。すると、それまで十分に機能していなかった生体維持機能が正常に働くようになります。その結果、肉体の異常が一時的に正され、急激に病気が治ったような状態になります。

しかしマグネティック・ヒーリングで癒されるのは、肉体という身体構成要素の一部分にすぎません。上位の構成要素（霊・霊の心・霊体）は活性化されないため、さほど時間が経たないうちに病気がぶり返すようになります。鍼灸やマッサージなどの治療を受けると、その時は症状が良くなったかのように思えても、しばらくすると元通りになってしまうのはこのためです。

「マグネティック・ヒーリング」の実際

生体エネルギーを枯渇させている患者に、ヒーラーのマグネティック・エネルギー（生体磁気エネルギー）を与えて病気を治そうとするのが「マグネティック・ヒーリング」です。肉体の生体エネルギーの状態は、人間の体温に反映しています。体温の低い人は、生体エネルギーを不足させているのです。最近では“低体温症”が万病の元であることが認識されるようになり、温熱療法や入浴（温泉）療法の有効性が見直されています。また、運動によって筋肉を鍛えて体温を引き上げることも重視されるようになりました。これらは確かに肉体の生体エネルギー・レベルを引き上げる効果的な治療法です。また、体温の低い人間に対しては、手を当てるなどして自分（治療者）の体熱（代謝エネルギー）を与え、肉体を温めてあげることも一つの治療法と言えます。

マグネティック・ヒーリングで患者に与えるエネルギーは、体熱（代謝エネルギー）ではありません。体熱とは別の「生体エネルギー（マグネティック・エネルギー、生体磁気エネルギー）」です。マグネティック・ヒーリングは、ヒーラーが自分の肉体の生体磁気エネルギーを患者に与える治療法です。

鍼灸やマッサージや整体などの手技療法は、生体磁気エネルギーと深い関係がある治療法です。こうした伝統医学や民間療法には独自の治療理論があり、なぜ自分たちの治療法に効果があるのか、どのようなメカニズムで病気が治るのかを説明しています。しかし、いずれの手技療法においても実際には、ヒーラーは患者を治療するときに、自分の生体磁気エネルギーを与えています。マグネティック・ヒーリングであることに変わりありません。その際、患者は肉体の深部から温かさを感じるようになります。

同じ鍼灸の治療を受けてもヒーラーによって治療効果が異なるのは、ヒーラーが与える生体磁気エネルギーの量に大きな差があるからです。中国医学の治療の原則は、気の流れの滞りをなくして気のバランスをとり、気の流れを正常化する点にあります。気の流れを順調にするための治療理論の一つが“補瀉の原理”です。気が少ないときには補い、多すぎるときには減らして全体的なバランスをとる、というものです。中国医学はこの理論に基づいて治療を進めますが、実際にはヒーラーから生体磁気エネルギーが補われることによって、気の流れが正常化されます。治療技術の上手下手よりも、生体磁気エネルギーを多く与えられるかどうかによって治療効果が左右されるのです。

「マグネティック・ヒーリング」が、いつの間にか「スピリット・ヒーリング」に

マグネティック・ヒーリングでは、ヒーラーの生体磁気エネルギーを患者に与えることによって肉体のエネルギーレベルをアップさせ、生体維持機能を十分に働かせるようにして病気を治します。ところがこのマグネティック・ヒーリングを行う過程で、ヒーラーが無意識のうちに「サイキック・ヒーリング」をしていることがあるのです。

人間は霊・霊の心・霊体・肉体といった要素から構成されています。これらの身体構成要素は次元が異なりますが、一つの場所に重複して存在しています。そして、それぞれの要素はお互いに密接な関係を持ち、影響力を及ぼし合いながら一体化し、一人の人間を形成しているのです。このため理論上は霊体と肉体の動きを分けて考えることができますが、実際には両者は常に連動した一体的動きをするようになっています。

霊体と肉体は一体不可分の関係にあり、それが治療にもそのまま反映されることになります。すなわち霊的次元の治療（サイキック・ヒーリング）と肉体次元の治療（マグネティック・ヒーリング）が同時進行してしまうのです。「サイキック・ヒーリング」をしているつもりが、いつの間にか「マグネティック・ヒーリング」もすることになります。反対に「マグネティック・ヒーリング」をしているつもりが、「サイキック・ヒーリング」も同時にするようになるのです。ヒーラーは患者の肉体に働きかけをしているつもりであっても、無意識のうちに霊体に働きかけています。知らないうちにサイキック・エネルギーを患者の霊体に注入しているのです。

ハリや灸のヒーラーは、霊体の存在も、サイキック・エネルギーについても知りませんが、自分自身のサイキック・エネルギーを患者に与えて、患者の霊体を癒しているのです。このように考えると、サイキック・ヒーリングとマグネティック・ヒーリングの間に線引きをすることは理屈の上では可能であっても、実際にはなかなか難しいことが分かります。多くのヒーラーが、霊的次元の治療（サイキック・ヒーリング）と肉体的次元の治療（マグネティック・ヒーリング）を同時に行っているのです。

さらにはヒーラー本人が鍼灸などの「マグネティック・ヒーリング」をしているつもりでいても、結果的に「スピリット・ヒーリング」を行っているケースがあります。ヒーラーの人間性が優れ、利他愛の精神に富み、他人への思いやりがあるような場合、霊界の人々の目に留まり彼らの応援を受けるようになることがあるのです。これはサイキック・ヒーリングをしているつもりが、いつの間にかスピリット・ヒーリングをしていたというケースと同じです。

スピリット・ヒーリングになっているかどうかは、ヒーラーの内面性によって決定されます。外見上の治療形式によって決められるものではありません。同じように手かざしや手当てをしていても、ヒーラーの内容によっては、スピリット・ヒーリングになったり、サイキック・ヒーリングやマグネティック・ヒーリングになったりするのです。