第４部霊能力と霊能者（霊能力と霊能者編）

すべての心霊現象に「霊能者」が関わりを持っています。霊能者がいなければ「心霊現象」は発生しません。心霊現象演出の霊界サイドの主役が霊たち（スピリット）であるとするなら、地上サイドにおける主役は霊能者ということになります。霊能者の存在は昔からよく知られてきましたが、その実態については多くの部分が謎のベールに包まれています。「霊能力」を持った人間が「霊能者」ですが、現在に至るまで霊能力と霊能者について霊的事実の観点から論じ、その真相を明らかにしたものはありませんでした。もちろんこれまでにも宗教や心霊学・神秘主義思想の立場から、霊能力・霊能者についての説明がなされたことはありましたが、それらは全体のごく一部分であり、しかもその内容は霊的事実から大きく懸け離れたものばかりでした。スピリチュアリズムによって明らかにされた「霊的真理」に照らしてみると、霊能力・霊能者に関する従来の地球人類の認識は、あまりにもお粗末なものと言えます。

これまで地上世界には「霊能力」についての真実を説いたものがなかったため、人々は「霊能者」を神に近い存在・一般人とは違う超人のように見なし、必要以上に特別視することになりました。霊能者は一定のカリスマ性を持ち、時には宗教の教祖として権力を手にし、人々を支配してきました。

霊能者は、一般大衆の「霊的無知」に付け込んで人々を騙すといった不正を、しばしば犯してきました。本来、霊能力は神によって与えられた神聖なものであり、霊能者には特別な使命と責任が付与されています。しかし残念なことに多くの霊能者が、詐欺行為を行ってきました。そうした“ニセ霊能者”の不正や詐欺は、過去においてのことだけでなく、現在でも存在します。

今では書店に行けば必ず心霊書のコーナーがあって、霊能者やチャネラーによる書籍が並べられています。出版社にとって軽薄な心霊書は、発行部数を稼ぎ出すのに実に都合がいいものです。出版業界全体が不景気な中で、霊能者は出版社にとってなくてはならない存在となっています。そうした事情はテレビ局にとっても同じで、手っ取り早く視聴率を稼ぐために各局が競って心霊番組を企画し、ニセ霊能者を出演させています。このような出版社やテレビ局の“金権主義”と霊能者の“名声欲”が一致し、あってはならない低俗な心霊ブームが引き起こされるようになります。

スピリチュアリズムは、霊能者の不正や低俗な心霊ブームに対して厳しい姿勢で臨んできました。人々を騙すニセ霊能者を“人類の敵”として告発し、警告を発してきました。スピリチュアリズムは心霊現象のメカニズムを明らかにするだけでなく、霊能力・霊能者について、これまでになかった深い知見を示しています。従来の宗教や神秘思想・哲学では決して知ることができなかった「霊的知識」を人類にもたらしました。その霊的知識によって地球人類の誰もが「霊能者」に対する正しい理解が可能となり、同時に正しい判断力を持つことができるようになりました。

この第４部・スピリチュアリズムの心霊現象論「霊能力と霊能者編」では、スピリチュアリズムによって初めて明らかにされた霊能力・霊能者に関する霊的知識を紹介します。それはニセ霊能者の悪事の実態を白日のもとにさらし、地上からニセ霊能者を追放することになります。