２）スピリチュアル能力の本質と、霊界人の願い

地上の霊能者の「サイキック能力」を、霊界にいる多くの霊たちが利用することによって、地上に莫大な影響力がもたらされるようになります。これを実現化させる能力が、「スピリチュアル能力」です。スピリチュアル能力とは――「霊界にいる無数の霊界人の影響力を地上に反映させる能力」と言うことができます。

サイキック能力では、地上の霊能者一人分の霊力しか発揮できませんが、スピリチュアル能力の場合には、状況によって何百、何千人分の霊力を発揮することが可能となります。もし地上の一人の霊能者に何百人もの霊が働きかけるとするなら、その霊能者個人の力を超えて何百倍もの霊力が地上にもたらされるようになるのです。地上に対する影響力を比較したとき、サイキック能力とスピリチュアル能力では、何百、何千倍もの開きが生じることになります。これがサイキック能力とスピリチュアル能力の根本的な違いです。「サイキック能力」の発生源は、地上の一人の霊能者の「霊体」です。それに対し「スピリチュアル能力」の発生源は、「霊界の霊たち」です。したがってスピリチュアル能力とは――「霊界にいる無数の霊たちの総合力」ということになります。

もし地上の霊能者が、自分のサイキック能力をスピリチュアル能力にまで高めることができるとするなら、それまでとは比較にならない大きな働きが可能となります。霊界の影響力をストレートに地上世界に展開することができるようになります。サイキック能力からスピリチュアル能力へのレベルアップは、例えばコンピューターの単純なソフトを、何百倍もの機能を持った高度なソフトに取り替えるのと同じようなことなのです。

スピリチュアル能力とは、地上の霊能者のサイキック能力を活用して、霊界の人々が地上世界に影響を及ぼすことを可能にする能力です。サイキック能力を持った人間を通して、莫大な霊力を行使することができる能力です。「サイキック能力」の主役が地上の一人の霊能者であるのに対し、「スピリチュアル能力」における主役は霊界にいる無数の高級霊たちなのです。

地上の人間が訓練の結果「サイキック能力」を身につけたとしても、それだけでは霊界の人々は価値を認めません。サイキック能力だけでは、霊界人にとっては何の魅力もないし、使い物にはならないからです。霊界から見たとき、サイキック能力を「スピリチュアル能力」にまで高めた者でないかぎり、全く霊的価値がないのです。残念ながら大半の地上の霊能者はサイキック・レベルにとどまっていて、スピリチュアル・レベルには至っていません。ここに霊界の人々の嘆きがあるのです。

ある時、シルバーバーチが霊界人を代表して、地上の霊能者に対する思いを次のように述べています。

「霊性を開発し、心霊的能力（※サイキック能力）を可能なかぎり霊的レベル（※スピリチュアル・レベル）まで引き上げなければいけません。心霊的能力を具えた人は大勢います。が、それを霊的レベルまで高めた人は多くはいません。私たちが関わるのは霊そのものの才能であって、霊的身体（霊体）の持つ能力、つまり肉体の五感の延長でしかないもの（※サイキック能力）には、たとえ地上の学者がどんなに面白い実験をしてくれても関心はありません。」

「そこを霊力の顕現する聖殿としたいのであれば、低俗なものを拒否し、高級なものを志向すべきです。霊媒現象がただのサイキックなものに止まるのであれば、せっかく教会を設立した意味がなくなります。ぜひともスピリチュアルなレベルにまで上げないといけません。皆さんに知っていただきたいのは、霊の資質は、下等なものから高等なものへと、段階的に顕現させることができるということです。それを最下等のサイキックなレベルで満足しているということは、進歩していないということになります。停滞しているということです。」

地球人類の救済活動を展開するうえで、地上の霊能者が「スピリチュアル能力」を持つことは、きわめて重要な意味を持っています。霊界から地上界に影響力をもたらすためには、地上の霊能者の能力が、どうしてもスピリチュアル・レベルにまで向上する必要があるのです。