「霊能者」になるための“身体条件”

霊能者になるかどうかは再生前（地上に生まれる前）から決まっていること、霊能力は生まれつき備わった才能であることが分かりました。再生人生を霊能者として歩むことが決定すると、その目的にそった準備が摂理の働きによって自動的に進展していくようになります。

その準備とは――「霊能者になるための身体条件を持つ」ということです。霊能力は“天賦の才能”であるとしばしば言われてきましたが、それは再生前に本人が望んで選択した結果、持つようになったものなのです。霊能者としての人生を選択した人間には、それに相応しい身体が与えられるようになります。その身体的条件とは、一言で言えば“霊能体質・霊媒体質”です。

“霊能体質・霊媒体質”とは？

霊能者になるための“霊能体質・霊媒体質”とは、霊体から肉体に向けて「大量の霊的エネルギー」を移動させることができる身体状態のことです。こうした意味で霊能者と一般人では、霊体と肉体の関係が違っているのです。霊能者の場合、霊体から肉体に「大量の霊的エネルギー」がもたらされるため、肉体を持っていても“霊的感性”が高まり、霊的なものに対して敏感に反応するようになります。霊視能力・霊聴能力・透視能力・テレパシー・サイコメトリーなどは、霊的感性が高まることで発揮されるものです。その状況について、もう少し詳しく述べます。

霊体と肉体は、接着剤のような「中間物質（半物質の幽体質素）」を媒介にして結びついています。したがって地上人を霊視すると、霊体と肉体の間に中間的な身体があるように映ります。この霊体と肉体を結合させている「中間体」上に、霊体から肉体に通じるエネルギーの通路（接点）があります。そしてその接点を通して霊体から肉体に「霊的エネルギー（霊体エネルギー）」がもたらされ、反対に「肉体エネルギー」が霊的エネルギーに転換されて霊体に入っていくことになります。こうした霊体と肉体の接点・エネルギーの通路が、よくいわれる“チャクラ”です。霊能者の場合、霊体と肉体のエネルギー交換が活発に行われるため、霊体の機能が物質次元において反映し現れるようになるのです。これが“霊能体質・霊媒体質”のメカニズムです。霊能者・霊媒とは――「霊的エネルギー（霊体エネルギー）を肉体に多くもたらすことができる人間」のことなのです。

霊能者の“チャクラ”は、一般の人々と比べ、きわめて活発な動きをしています。もちろん霊体から肉体に向けて霊的エネルギーが流れ込む様子は、それぞれの霊能者によって異なり、一人として同じ状態にはありません。このために無数ともいえる霊能力が存在し、多種多様な霊能力を身につけた、さまざまなタイプの霊能者が登場することになります。

一方、人間は誰でも身体から“オーラ（生体エネルギー）”を発散させていますが、霊能体質、特に“霊媒体質”を持った者（＊霊媒になる素質を持った人間）は、そのオーラの量が一般の人よりも非常に多いのが特徴です。特に「中間体」から放射される半物質の生体エネルギーの量が際立って多いのです。そしてこの半物質の生体エネルギーを利用して“エクトプラズム”がつくられ、さまざまな「物理的心霊現象」が引き起こされることになります。

こうした霊媒体質の人間の“オーラ”に、しばしば低級霊が引き寄せられ「憑依」などの問題を発生させることになります。

“チャクラ”についての従来の見解の問題点

霊能者が持つ“霊能体質・霊媒体質”とは、霊体から肉体へ「大量の霊的エネルギー」を流入させることができる特殊な身体的傾向のことです。霊体と肉体の接点・エネルギーの通路は、従来“チャクラ”と呼ばれてきました。霊体から肉体に向けて大量の霊的エネルギーが流れるとき、この通路（接点）を霊視してみると、まるでエネルギーの束がそこから噴出してくるように映ります。

ヨーガや神智学では“チャクラ”についての研究が盛んに行われ、チャクラに関する多くの知見が示されました。この神智学におけるチャクラについての見解が、その後の神秘学研究者や神秘学の徒に無批判に受け入れられ、定着してしまうことになりました。しかし実際のチャクラの状況は、神智学で説いてきたような単純なものではありません。ヨーガや神智学では、あるチャクラの開発と霊能力の発現には密接な関係があり、チャクラと霊能力は機械的な連鎖関係にあるかのような単純な図式で説明してきましたが、現実はもっと複雑で、そうしたワン・パターンの関係図によって解説できるようなものではないのです。チャクラの状況や霊能力は一人一人で異なり、そのパターンは無数に及びます。とても単純化できるものではありません。

神智学がもたらした“チャクラ”に関する見解によって、地上の知識人の間に間違った知見が広まってしまいましたが、今“スピリチュアリズム”によって、その間違いが修正されようとしています。

「霊能体質」と「霊能力」についてのまとめ

ここで霊能者が持つ特殊な“身体条件”と、それによって発揮されるようになる「霊能力」について整理しておきます。霊体から肉体に向けて「大量の霊的エネルギー」を流すことができる身体的傾向（霊能体質）を持った人間を「霊能体質者」と言います。霊能者になる素質を持った人間のことです。この「霊能体質者」には、さまざまなタイプがあります。「霊視能力素質者」「霊聴能力素質者」「霊媒能力素質者」「ヒーリング能力素質者」「テレパシー能力素質者」などです。こうした“霊能体質”という身体条件を持って生まれた人間が、霊能力開発のための正しい努力を通じて「霊能者・霊媒」としての道を歩めるようになるのです（＊「霊能力開発」については３章で取り上げます）。

霊体から肉体に向けて大量の霊的エネルギーをもたらすことができるのが「霊能体質者」の身体的特質ですが、流れ込む霊的エネルギーの量やそれが肉体のどの部位に多くもたらされるのかは、一人一人の人間によって異なります。そのため発現する霊能力の種類や発現の程度が、さまざまとなります。ある人は「霊視能力」を発現し、別の人は「霊聴能力」を、また人によっては「霊媒能力」をといった違いが生まれ、それらの能力の発揮度にも差が生じることになります。

「霊能体質者」は、一般人と比べて肉体に流れ込む霊的エネルギーの量が多いだけでなく、身体から放射される“オーラ（生体エネルギー）”の量も多いのです。特に「霊媒能力素質者（霊媒体質者）」は、霊能体質者の中でもきわめて大量の“オーラ”を発散させています。そのため霊界の霊（スピリット）を引き寄せることになるのです。

“霊媒体質”を持った人間が正しい努力によって霊能力を開花させるなら、高級霊の意志を地上に伝える優れた“霊媒”として歩めるようになります。それとは反対に霊性・人間性が未熟なままにとどまる人は、常に低級霊の働きかけを受け「憑依」の危険にさらされることになります。