不自然な霊能力開発がもたらす危険と問題

霊能力の獲得だけを目的とした不自然な霊能力開発には、それ相応の悪い結果がともなうのが普通です。「低級霊の憑依」がその代表ですが、無理に無理を重ねた訓練には、常に大きな危険が付きまといます。間違った霊能力開発訓練のために、今日までどれほど多くの人間が“精神障害者”になってしまったことでしょうか。

さらにそれ以上に深刻な問題は、霊的成長とは無関係な霊能力開発が、人間にとって最も大切な“魂”そのものを汚し醜くしてしまうことなのです。霊的成長の道を閉ざし、悪いカルマをつくり出し、せっかくの地上人生をムダにしてしまうようになります。そして死後において後悔の念に苛まれ、たいへんな苦しみを味わうことになるのです。

選ばれた者以外は、無理な霊能力開発をしてはならない

こうした理由があるため、高級霊は不自然な霊能力開発を厳しく戒めています。『霊訓』の通信霊インペレーターは、地上人の霊能力開発について次のような警告を発しています。

インペレーター霊の言う「選ばれた者」とは、生まれつきの霊能者（霊能体質者）を指しています。インペレーター霊は、選ばれた者・霊能者としての素質を持った人間以外は無理な霊能開発をしてはならない、と教えているのです。それは“低級霊の餌食”となる、きわめて危険な行為だからです。これまでも、そして現在も、あまりにも多くの選ばれていない人間が不自然な霊能開発にのめり込み、ひたすら“低級霊の餌食”となる道を走ってきました。

むやみに「霊能者になりたい」「ヒーラーになりたい」などと考えるべきではありません。「幽体離脱体験をしたい」「オーラが見えるようになりたい」「背後霊を知りたい」「未来予知や透視ができるようになりたい」「異言を語れるようになりたい」「神との一体体験をしたい」――こうした思いに固執して危険な霊能力開発に取り組んではならないのです。

子供の霊能力開発の危険性

世の中には自分の子供に対して、間違った愛情の示し方をする人間がいます。そうした親の中には、子供に専門的な技術や知識・スポーツ技能を身につけさせ、将来、一流の人間にしたいと考える者がいます。子供がまだ小さいときから“英才教育”を施して、一流の人間に育て上げようとするのです。しかしその多くは真の愛情からではなく、親の“エゴ”と“名誉欲”から始まっています。子供に才能があれば、そのエゴ的な期待に応えて大成することもあるでしょうが、大半の場合、親の一方的な期待だけに終わってしまいます。

実はこれと同様に大人の「霊的無知」が、子供を間違った霊能力開発に仕向けることがあるのです。現在の日本ではあまりピンとこないかもしれませんが、世界には宗教が絡んだこうした問題が、今でも厳然として存在します。子供がまだ幼少の頃から、霊能力開発の訓練を強いるのですが、その実態は大人の霊的無知から発した単なる迷信的行為にすぎません。何よりもそれは子供自身にとって、非常に危険なことなのです。霊的知識を持たない大人のもとで育てられた子供は、本当に気の毒と言わざるをえません。間違った霊能力開発は、鈍感な大人と違って精神がデリケートな子供にとって、自然な霊的発育を阻害するようになります。子供の魂を狂わせ、精神障害を引き起こし、子供の一生を台なしにしてしまうようなことにもなりかねません。

『霊媒の書』に次のような意味深い内容が載っています。