霊能者としての役割・使命と責任

「霊能力」という特別な能力の持ち主となったことで、それに相応する使命と責任が発生するようになります。霊能力を持ったということは、一般人に比べて霊界の人々と近い立場に立ち、彼らとより多く交わる資格を与えられたということです。霊界からの働きかけに反応しやすくなったということなのです。

しかし霊能力を身につけているからといって、霊能者自身がそれを誇るようなことがあってはなりません。インペレーター霊は――「霊媒が特別の能力ゆえに選ばれることは事実ですが、その能力とて、取り立てて崇（あが）めるべき性質のものではありません。ある啓示のために適当な道具として選ばれ、その啓示が託されたというに過ぎません。霊媒の功績とすべきものではないのです。また真に忠実な僕としての心得のある者なら、そうは思わないものです。ただの媒体、神の啓示の栄誉ある道具に過ぎません。その栄誉も、霊界側から見ての栄誉であり、世俗的な意味での栄誉ではありません」（『続霊訓』・潮文社・p36～37）と述べています。そして「（※霊能力は）大切にすべきものであり、それを誤用または悪用した時は、恐ろしい代償を支払わなければなりません」（『続霊訓』・潮文社・p124）とも言っています。

霊能者は、その使命と責任を全うしてこそ、霊界から認められるようになります。それによって初めて、一般の人々にはできない大きな貢献をなし、霊的な実績をあげられるようになるのです。一般の人々よりも重い役割を担った霊能者には、それに見合った強い使命感と責任感が求められます。では「本物のスピリチュアル霊能者」が持つべき使命感とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

以下では、これについて見ていきます。

霊能者の使命〈１〉――霊能者は、スピリチュアリズムを進める霊界の大軍団の“最前線兵士”

霊能者が第一に自覚すべき内容は――「スピリチュアリズムを進めるために霊界を挙げて組織化されている大軍団の一員である」ということです。地上のスピリチュアル霊能者に対して多くの霊たちが協力・指導をするのは、同じ大軍団に所属しているからであり、兵士仲間だからです。身は地上に置いていますが、霊能者はどこまでも霊界の本隊の一員なのです。「自分は、霊界の大軍団の地上部隊の一兵士である」ということを、常に自覚していなければなりません。地上の霊能者が霊界の大軍団の一兵士であるということは、「最高指揮官は霊界の最上層において指揮を執っているイエスである」ということを意味しています。霊能者は、イエスの指揮下で働く何百、何千億の高級霊とともに「地球人類救済運動」の大計画に参加しているのです。

地上の霊能者は、霊界の大軍団の地上サイドの“最前線兵士”です。霊界から戦いの最前線に派遣された“突撃兵士”です。霊能者は、イエスや霊界の大軍団の他のメンバーとともに、霊界から地上世界に霊力をもたらし、地上人に働きかける立場にあります。天から地へ、上から下へと働きかける立場にあります。霊能者やスピリチュアリストは、霊界の人々に救いを求めるのではなく、霊界の人々と一緒になって地上人に救いを与える側に立っているのです。イエスや高級霊たちと力を合わせ、地球人類を救済する役目を担っているのです。

霊能者の使命〈２〉――霊能者は、霊界の大軍団の“地上の足場”

霊界の人々が地上という物質世界に働きかけるためには、地上サイドに足場が必要となります。その霊界の大軍団の足場となるのが、とりもなおさず霊能者なのです。一人の地上の霊能者のために何百、何千という霊たちが結集し、自分たちの道具として用いるのは、その霊能者が同じ軍団に所属する地上サイドの一員であるだけでなく、霊界人にとって「霊力を行使するための足場」であるからです。

霊界の大部隊は、霊能者という最前線兵士を介して地上に働きかけ、霊力を届けています。その意味で霊能者は、霊界の大軍団を地上に送る掛け橋のような存在なのです。霊能者がいなければ、霊界の大部隊の力を地上に及ぼすことはできません。地上の霊能者が「スピリチュアリズム普及」に熱意を持って自分の立場を死守するとき、霊界の大軍団はその人間を通して霊的影響力を地上にもたらすことができるのです。こうした点から地上の霊能者は、霊界の軍団にとってなくてはならない存在と言えるのです。

霊能者は、スピリチュアリズムを推進する霊界の大軍団の一兵士・地上の足場としての立場を与えられていますが、その主な役目は――「霊界の大部隊に地上で働く場所を提供すること」と「霊界の兵士が働くための道筋（通路）を提供すること」です。それは霊能者が、自らを霊界の道具として捧げ、霊界の人々に使ってもらうことで果たすことができる役目なのです。

霊能者の使命〈３〉――霊能者は、霊界の大軍団の“スポークスマン”

地上の霊能者には、霊界の軍団の一員としての役割が与えられていると同時に、霊界と地上の間に立って、霊界の軍団の意向やその様子を地上人に知らせる“スポークスマン（代弁者）”としての役割が与えられています。霊界人と地上人の仲立ちとして、霊界の事実を地上人に伝える立場に立っているのです。霊能者は、実際に今、霊界の高級霊たちが総動員で展開している「地球人類救済活動」について、地上の人々に教えなければなりません。

地球圏霊界に属するすべての霊界人が総力を挙げて進めている大計画の事実を、大半の地上人は全く知りません。地球人類はこの大計画によって少しずつ霊的進化・向上の道を歩んでいますが、ほとんどの人々は人類にとって一番重大な事実を知らないのです。地上の霊能者は、自分が霊界の軍団の一兵士として霊界人とともに地球人類救済のために働いていること、イエスや高級霊の指揮下で働いていることを公表しなければなりません。それが霊界の大軍団の“スポークスマン”として果たすべき役目なのです。

霊能者の使命〈４〉――「霊的真理の普及」を通してスピリチュアリズム運動を進める

地上の霊能者は、霊界の大軍団の一員であり、地上の最前線兵士です。兵士は、軍団の総指揮官（イエス）やその直属の部下である高級指導霊たちの指示・命令に従って戦いを進めなければなりません。霊能者は、イエスならびに高級霊たちと、活動の目的と方向性が完全に一致していなければなりません。

イエスが中心となって進めているスピリチュアリズム運動は、地上に「霊的真理」をもたらし、人類の「霊的無知」から発生している悲劇を追放しようとするものです。スピリチュアリズムにおける第一の戦略は――「霊的無知を克服するために霊的真理を地上にもたらす」という点におかれています。地上世界に霊的真理を伝え広めることが、スピリチュアリズム運動の最大の目的・方向性になっています。高級霊たちが一丸となって進めている地球人類救済の大計画は、「霊的真理の伝道」によって達成されていくことになるのです。

したがって一兵士である地上の霊能者の活動も「霊的真理の普及」――すなわち「霊的真理の伝道」が一番の中心となります。心霊現象の演出も、すべて真理普及の手段であってこそ意義を持つことになるのです。

霊能者の使命〈５〉――心霊現象を通して人々の「霊的覚醒」を促す

霊能者には――「心霊現象を演出して、スピリチュアリズム運動を進める」という役割・使命が与えられています。それは具体的には、心霊現象を通して「人間は死後も霊として存在する」「霊界には多くの霊たちが生活している」という霊的事実を証明することです。それによって“物質世界だけがすべてであって、死ねばそれで終る”という人々の考え方に大転換を引き起こすのです。これが「霊的覚醒」ということです。心霊現象がきっかけとなって霊的に目覚めた人々は、霊的世界に意識を向けるようになり、新しい生き方を求め始めることになります。

霊能者が心霊現象を演出するのは、地上人に霊的事実を認めさせ、霊的事実に基づく正しい考え方・生き方を促すためです。霊能者の役割は、霊的真理の基礎である「霊魂説」を証明し、スピリチュアリズムによってもたらされた「霊的思想・霊的教訓」を人々が受け入れられるように準備をすることなのです。

霊能者の使命〈６〉――「霊界の道具」としての手本を示す

霊能者は、「霊界の道具」としての生き方の手本を人々に示していかなければなりません。霊能者は、地球人類救済計画を推進する霊界の大霊団の一兵士です。真の道具意識は――「自分は霊界の軍団の一員である」との強い自覚のもとで発生します。大多数の地上人は、霊界の軍団の存在も、霊界を挙げての救済活動の事実についても何ひとつ知りません。霊能者はそうした人々に、人類救済のために霊界人とともに戦う姿を見せ、「霊界の道具」としての模範を示すべき立場にあります。実際の行動を通して、スピリチュアリズムという最高の大義のためにすべてを捧げる生き方の手本を示していかなければならないのです。

そうした「霊界の道具」に徹した献身的な姿は、時期のきた人々の心に「自分も、地球人類救済という大義のために人生を捧げよう！」との意識を喚起することになります。霊能者が良き手本を示すことによって、本物の人材・真のスピリチュアリストが次々と輩出し、スピリチュアリズムに着実な進展がもたらされるようになるのです。

シルバーバーチは、世界的に著名なヒーラーであるハリー・エドワーズが交霊会に出席した際に、次のように述べています。