これまでの話で、「霊能力」についての概要が理解できたものと思います。ここでは「霊能力開発」のための具体的な訓練内容について見ていきます。霊能力は、どのような訓練を通して発現するようになるのでしょうか。霊能力を開発・獲得するためには、どのような訓練をしたらよいのでしょうか。

洋の東西を問わず、また現代過去を問わず、今日まで実に大勢の人間が「霊能力開発」に人生を捧げ、霊能力の虜（とりこ）になってきました。ヨーガや中国の導引・日本の密教の修行によって、霊能力や超能力が獲得される事実がよく知られています。また時として、特定の宗教教団に集中して霊能者が輩出することがあります。そうした宗教教団は、霊能者の現出の多さが“自分たちの教団の霊的な高さを示している”と誇示し、教勢拡大の宣伝に利用してきました。

以上のような宗教を中心とした霊能力開発の流れとは別に、現代の先進諸国では、霊能力開発を目的としたさまざまなセミナーが盛んに行われています。現代人の多くが霊能力や超能力に強い関心を持っていますが、そうした人々を対象にした霊能力開発セミナーやヒーラー養成セミナーが流行しています。さらに最近では、現代文明の機器を用いた霊能力開発も活発に試みられています。

この章ではこうした霊能力の開発・獲得のための具体的な訓練内容と、そこに発生するさまざまな問題について取り上げます。従来、霊能力開発に関しては部分的に論じられたものや軽いハウツーものはありましたが、「霊的観点」からその本質を掘り下げたものは存在しませんでした。この「霊能力開発」というテーマについてスピリチュアリズムは、これまで人類が知ることのなかった多くの知見をもたらしました。そして宗教や神秘主義における霊能力開発の間違いや問題点を霊的な高みから明らかにし、今後の地球人類にとって最も適切な霊能力開発の方向性を示しています。